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FE覚醒の小説や絵、妄想をたれながしています。
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※R指定部分からの抜粋なので18歳以下の方は閲覧をご遠慮ください。

本編時期としてはフェリア城でのペレジア出兵前夜という設定です。
つづきからどうぞ。






(本文四章から抜粋)





クロムはフレデリク達の看病の甲斐あってか思っていたよりも元気そうだった。ただ酔いはまだ残っているようだ。赤くなった頬を掻きながら、こちらをチラチラ見ては視線を逸らすことを続けている。

(やはり、私が来るのは迷惑だったでしょうか)

フレデリクとリズが申し合わせたようにタイミング悪く去り、二人きりではないという目論見が外れた今、ルフレは緊張で手紙を持つ手が震えていた。
以前のクロムだったらしっかりとこちらを見てくれるのに、逸らすということはやはり避けられているに違いない。理由を聞くのが恐ろしいが、いつかは聞かなくてはならないことなのだ。

――なにはともあれ、まずは用事を果たさないと。
挫けてしまいそうな心を奮い立たせ、ルフレはなるべく平静を装ってクロムにフラヴィアからの手紙を渡す。
恐らく明日からの行軍に関することだろう。クロムは真剣な眼差しで、文字の羅列を追っている。
――彼がこの手紙を読み終わったら聞かなくては。今の自分をどう思っているのか。嫌いになったのか、疎んじているのか。
決意をしたとしてもいざクロムを目前にすると怖くなり、ルフレは無意識のうちに震えを抑えるよう胸へ手を当てていた。
この心地よい関係が壊れるのが恐ろしくて仕方ない。今夜、何かしら二人の関係は大きく変わってしまうのかもしれない予感に、どうしようもなく不安を抱き、緊張が走る。だから少しでも長く手紙を読んでいて、と俯いて無意味な祈りを捧げていたのだ。だから、彼の様子が急変したことに気付けなかった。

「……どういうことだ」

居心地悪い静寂を切り裂く声に、恐る恐る視線を向ける。
見れば手紙を握り締め、こちらを睨みつけているクロムがいた。

「どういうことって?」
「傍にいてくれるって言っただろう。あれは嘘だったのか?」

クロムが何を言っているのかさっぱりわからない。
ただ彼が怒っていることだけはわかる。手紙の内容に関わることなのか、ルフレは憮然とした顔で答えた。

「ええ、確かに言いましたよ。私は貴方が貴方なりの平和を勝ち取る日まで傍に……」

全て言い終える前にルフレの右腕が強く引かれた。驚いて体勢を整える間もなく身体が傾ぎ、そのままクロムの元へ倒れ込んでいく。

「クロムさん、何を」
「行かせないからな、俺の下から去るのは許さない」

驚いていて身動きが取れないでいるルフレは寝台へ押し付けられ、クロムにのしかかられた。
影に覆い被され、視界に彼の空のような色をした青い瞳が映る。いつもならば清涼な色を称えているはずのそこに、黒い炎のようなギラつきが見えた気がした。少しだけ怯む
ものの、ルフレには何も後ろめたいことがない。
ここは強気に対応した方が良いと判断し、顔を引き締めて彼を睨みつけた。

「行かないですって…。いきなりどうしたというんですか、最近避けていると思ったら、こんなことをして。からかっているんですか?それともまだ酔っ払っているんですか?」

引き締まった身体をしているとはいえクロムは男だ、力では叶うはずもなくのしかかられて息苦しい。コロコロと変わる態度につい苛立ってしまい、ルフレは押しのけようと彼の逞しい胸板を叩いた。しかし反応すらしないでこちらをただ見下ろしてくるクロムに眉根を寄せる。

「俺がからかってこんなことをすると思うか?」

押しのけようとしたその時、手首を強く握られる。聞いたことのないような冷たく低い声にルフレはゾッとし、思わず反抗の手を止めてしまった。
――酔っているにしてもおかしい、クロムは力任せでこんなことをする人間ではないはずだ。
何が理由なのかわからず抵抗も封じられたルフレは、ただ彼の動向を見つめることしかできない。

「今でなくとも、お前は俺の元をいつか去るんだろう」
「それは……私は軍師であって貴方の所有物ではないですから。いつか、と言われればそうなのかもしれません。でも当分は、」

言葉は慎重に選んだつもりだったが、やはり理不尽な目に合っている不満が口に出ていてしまったようだ。クロムの目尻はますます鋭くなり、戸惑っているルフレ自身が彼の瞳越しに写って見える。
彼の大きな影が濃く迫ってくる。しかし追い詰められた獲物のように、ルフレはなにも出来ず、ただ彼の動向を伺うことしか出来ない。

「ならば、俺のものになればいい」

耳元に唇が触れるか触れないかの距離で囁かれ、ルフレの肌が粟立つ。聞いたことのないような掠れた声に、初めて彼が恐ろしいと思った。
ルフレの胸に何かが触れる。その感触に、緊張で縮こまっていた身体が小さく跳ねた。

「クロムさん、何をしてるの……?」

無意識に声が震えてしまう。問には答えずクロムは骨ば
った手を胸の膨らみに沿って、撫でるように動かす。
多少ぎこちなさは残しているが迷いのない動きに、ルフレの心には得体の知れない恐怖と疑念が急速に溢れていき、戦慄した。
――どうしてこんなことをする?
時折不安に感じるほど全てにおいて潔白で、誰に対しても平等に接するクロムに限って、こんなことするはずがない。そう彼を信じる自分が必死に目の前での出来事を否定をしている。
しかし現実は、ルフレの信じたいと縋るような想いを
尽く裏切っていく。クロムの手は弧を描くように胸部を撫でると、外套の隙間から覗くキャミソールの切れ込みへと潜り込んでいった。素肌に直接触れられた手の感触に鳥肌が立ち、背筋が震えた。明らかに性的な意味をもつ行為に、慌ててルフレは彼の手を抑えて首を振った。

「やめてくださいクロムさん、自分の立場がわかっているんですか!貴方は王族、不用意に関係を持つことは御法度だと……ッ」

ルフレの声に手が止まり、少しだけ安堵して影になって見えなかったクロムの顔を覗き込む。しかしその瞬間
止まっていたはずの掌が乳房を強く握りしめ、驚きと痛みに思わず声を詰まらせた。

「不用意なんかじゃない、俺はお前を自分のものにする為ならば、お前に軽蔑されても構わないんだ」

クロムの瞳の奥に、濃い闇を見た。それはエメリナを失った時に高笑いするギャンレルに見せた時の激情に似た、しかしもっと静かな分恐ろしく感じる怒り。まるで嵐の前の夜に似ている。
――あの手紙に逆鱗に触れるようなことでも書いてあったのか?
悪転していく状況の中、混乱する頭でそれでもなんとか解決の糸口を見つけようと、懸命に震える手をシーツ上に這わす。しかしそれが拒絶の意に取られたのか、クロムの左手で、惑う手はあっさり頭上に纏めあげられてしまった。ぎりぎりと痛みを与えられ、ルフレは唇を噛み締める。

「立場なんて関係ない、俺は……お前が好きだ」

思いがけない言葉に、痛みで顔をしかめていたルフレは目を丸くする。覆い被さっているクロムは苦しさを耐えるように眉を顰めさせ、絞り出すように言葉を続けた。

「お前が俺の隣にいてくれるのは、今まで当たり前のことだと考えていた。俺はもう、お前が家族になったようだと勝手に思っていたんだ」
「……」
「だけどルフレ、お前はどうなんだ?俺にはお前を縛る理由がない。お前がこの軍を離れたいと言ったら俺に止める権利はないんだ。そうだ、お前は俺のモノじゃない。血の繋がりもない。半身だと言ってくれたが、そんなもの所詮口約束だ。…俺は、お前との確かな絆が欲しい」

胸部に這わされたままだったクロムの右手に、力が込められる。掌で乳房を強く握り締められ、ルフレは息を呑む。しかしそれでも彼から視線を離すことが出来なかった。

「あまりにも近すぎて、お前の大切さに気付かなかったんだ。……だから姉さんみたいに失う前に、お前を俺のものにする、ルフレ」
「待って、待ってください!クロムさん……っ」

切なげに歪められた瞳が迫ってくる。そしてそのままルフレの言葉を奪うように唇に何かが押し当てられた。柔らかいそれが何かを確かめる暇なく驚きで僅かに開いた口から、生暖かいものが入ってくる。
生き物のように意志を持って侵入してきたそれは、ルフレのくぐもった声に少しだけ躊躇ったかのように動きを止めた。しかしすぐに口内をまさぐるようにゆっくりと粘膜へ触れてくる。

「んっ、ぅぅ……」

息を吸い取られているかのように苦しい。
それなのに、ぬるぬると掠める舌が口内を擦れる度身体が熱くなる。緩急をつけて揉まれる胸の感触と相まってルフレを未知の感覚へと誘うのだ。
戸惑い逃げ回っていたルフレの舌が、ついに囚われ吸い上げられた。熱いそれが重なり合い絡み合う感触に、肩がびくりと跳ねてしまう。薄く開かれた唇からは飲みきれなかった二人の唾液と、吐息とも喘ぎともつかない声が漏れ出た。
ようやく舌が引き抜かれ、下唇を犬のようにベロリと舐め上げられる。ルフレは霞がかった頭でなんとか呼吸をしようと胸を上下させるが、その頃にはクロムの手によってキャミソールがたくし上げられてしまう。外気に素
肌が晒され、その感覚に背筋を震わせた。
クロムにありのままの肢体をじっくりと見られている。彼の視線に耐え切れず、慌てて胸を隠そうとするも、両腕は彼により拘束されていた。せめてもの羞恥心で身を捩るも逃れることは到底出来ない。

「その様子だと、初めてか…?」

今日初めて聞いた気遣わしげな声に、羞恥と快楽で濡れ、伏せていた視線を上げる。
戸惑いで細められた青い瞳の奥を覗き見る。黒い炎のような怒りが随分と鎮まっているようで、代わりにそこにあるのは親を見失った子供のような寂しさだ。
その表情に、怯え惑っていたルフレの心が解けていく。

「は、はい。恐らくですが」

記憶を失っているので定かではないが、少なくとも今の時点では初めてだった。恥じらいつつ、歯切れ悪そうにそう答えれば、クロムは上気させていた顔を明らかに曇らせる。押し付けられていた両手首がふと軽くなった。拘束が解かれたのだ。

「俺が怖いか?」

先ほどとは一転して、壊れ物を扱うかのように優しく頬に大きな手を当てられた。不安に満ちた瞳が、縋るようにこちらをじっと見つめてくる。
(ああ、いつものクロムさんが戻ってきてくれた。)
その安心感で、乱れていた心拍がゆっくりと戻っていく。

「正直に言えば怖かったです。でも、今は平気」
「無理をしなくてもいい。俺はお前に男として最低のことをした。罵られても軽蔑されても仕方がない」
「クロムさん、違うんです。私、その…」

口から出そうになってしてしまった言葉を、冷静になれと呼びかける理性に気づき慌てて飲み込んだ。
今なら素直にこう思える、ルフレだってクロムのことが好きだ。きっと、初めて会った時からその輝きに魅せられていた。彼を拒むのは心が繋がり合っていない状態で抱かれたくないだけであって、本当は誰よりも近くで触れ合いたい。
しかし、それは本当にクロムの為になるのだろうか?
ルフレは身元がよくわからない。あるのは戦術と人殺しの技術のみ。そんな女がゆくゆくは聖王を継ぐ男の妻になっても良いのだろうか?彼の輝かしい道の妨げになってしまわないだろうか?

彼の告白は嬉しかった。傍にいても良いと、ルフレにとって心地よい言葉をクロムはいつだってくれる。
きっと今ここで親友として傍にいたいと言えば、優しい彼のことだ、異性の親友としていつまでも傍に置いてくれるだろう。ルフレが本当の気持ちを隠して仕えればいいだけだ。そうすれば、クロムは本当に自分にふさわしい妻を娶り、王として執政する為のより良い地盤を固められるはずだ。

(だけど……)

ルフレは空の頂点のような、澄んだ色の青い瞳を見つめ心が揺らぐ。
クロムの傍で、笑っている他の女性と彼女の子供を見て果たして心穏やかでいられるのだろうか?きっとこの想いを掘り起こされず、自覚さえしていなければ笑って見守れたのだろうけど……ここまで来てしまった以上今更無理だ。
――クロムが欲しい。その髪も瞳も身体も魂も余さず全部欲しい。
親友や軍師という都合のいい言い訳を剥いでさえしまえば、女としての単純な欲求がルフレの中を渦巻いていた。きっともう隠そうと思っても隠せないだろう。醜い心を綺麗事という嘘で塗り固めて彼の傍にいるよりは、いっそこの気持ちを吐露してしまった方が良いだろう。

「……私だって、クロムさんのことが好きです」

クロムの目が見開かれる。
ルフレはそんな彼に寂しげに微笑み、頬に当てられていた掌をそっと両腕で包み込んだ。

「きっと貴方が想っている以上に私は貴方のことが好き。初めて助け起こされた時から、貴方が欲しくて仕方なかった」
「ルフレ」
「でも、それだけじゃダメなんです。私には記憶がない、自分の生い立ちや身分だってわからない。そんな怪しい人間が、貴方の妻になれる資格があると思いますか?きっと祝福はされないでしょうし、貴方の目指す王道の妨げになるでしょう」

自分に言い聞かせるように呟くと、ルフレはクロムの手をそっと離させた。もうきっと、彼の親友としての純粋な目で見ることが出来ないだろうから。そっと目を閉じ
言葉を続ける。

「私は、貴方が紡ぐエメリナ様とは違った平和を見てみたい。…きっとそれは皆も同じ。だからイーリスに平和が訪れるまでは、貴方の傍に居続けます。だけどその先はダメです、私は貴方の道を邪魔したくないんです。
クロムさんの気持ち、とても嬉しかった…でも貴方はきっと戦いの前で興奮されているんですよ。一時の感情に流されないで、もう一度よく考えてください、そして本当に貴方が成すべき道を、」

ルフレが胸で温めていた言葉を最後まで言い終わらないうちに、唇が塞がれた。今度は触れるだけのキスだった。口元からゆっくりと動かされ、ルフレの唇を捉える。
心の隙間を埋めるように触れ合い温もりを伝えると、リップ音を立てて、それはゆっくりと離れていった。

「クロムさん、私が言ったことちゃんと聞いていましたか?」
「流されてなんかいない、立場なんかでお前を切り捨てて、何が王だ……!」
ルフレが言葉を発するよりも早く、クロムに強く抱きしめられた。引き離そうとしたが、彼の小さく肩が震えていることに気づいてしまったのだ。
「きっと苦労をさせるだろう、だがお前を非難するものは俺が許さない。大切な女一人守れない王なんて御免だ」
「……クロムさん」
「改めて言うぞ。ルフレ、俺はお前が好きだ。お前となら苦楽を共にできる、どんなことがあっても、絶対に乗り越えられる。だから、俺の隣にいてくれ」

今にも泣きそうな目で、しかしこちらを真っ直ぐと射抜くその言葉。クロムの嘘偽りないだろう想いが、ルフレが心の奥底にまで届いた。誰よりも知っていた。彼が嘘や同情でこんなことを言えるほど器用な人間でないくらい。
本当ならばここで振り切るのが、王に仕える軍師として正しいことなのかもしれない。しかし喉が震えてうまいこと言葉が紡ぎだせなかった。軍師や忠義や友情という鎖で必死に縛りつけていた「女」であるルフレの一面が彼の言葉に歓んでしまっていたのだ。
ずっと自分の心に嘘をつき続けていた。女として傍にいたいという自分を、浅ましいものと踏みつけ見ないふりをしようとしていた。だからティアモの言葉に耳を塞い
で、恋の輝きから目を逸らしていた。「親友」という都合のいい言葉で虚飾し、傷つかずに一番安心出来る位置を確保して落ち着かせようとしていたのだ。
もうクロムという異性を拒むことができない。飾られた言葉ももう思いつかない。軍師としての理性は、こみ上げてきた恋慕の上に焼け消えてしまったのだ。
クロムが好き。ただそれだけを伝えたくて、ルフレは彼の首に腕を回し、応えるように抱きついた

「私も、貴方の傍にいたいです。ずっと」
いつのまにか頬から一雫涙がこぼれていた。一度流れ出すとそれは堰を切ったように止まらず、心の壁がヒビを作って崩れるように、ポロポロと零れ落ちて行く。
「好きだから…大好きだから、貴方の道の憂いになりたくなかった。でも、私もう無理です。貴方の隣に違う女の人がいるなんて、考えたくもない……」
「ルフレ、」
「私、私…記憶ないですし、女らしくもない。美味しい料理のつくり方も、礼儀作法もわからないんです。きっと貴方に沢山迷惑をかける…それでも、いいんですか?」
「そんなもの、お前がいてくれればいらない。俺は、お前がお前でいるから好きなんだ」

クロムに子供をあやすように背を撫でられ、ルフレは記憶をなくしてから初めて子供のように泣きじゃくった。
ルフレの涙はクロムの服に次々と染みを作っていく。
その涙の熱さに、彼女が平気な顔して隠してきた想いに気づかされる。愛しさがこみ上げ、より近いところで彼女を感じようと思わず抱き寄せた。

「俺だってどうしようもないくらいに未熟だ。だけどさっきも言ったが、俺はお前とだったら何でも出来る気がする」
「クロムさん……」
「俺はお前を選んだことを後悔しない。ルフレ、お前にも絶対後悔させない」

胸に耳を当て、互いに一番近いところで鼓動を感じ合った。包み込むように温かい胸と確かに脈打つ心臓に安心感を覚える。
一番近くにいるが、自分とは確かに違うかけがえのないただ一人だけの存在。やっと本当の意味でこの手で掴めたそれは、キラキラと輝く星のように熱く瞬いていた。

長い間互いに何も言わず、ただ静かに抱き合っていた。
ふとルフレの胸に頬ずりしたとき、そのあまりの滑らかさに違和感を覚えてクロムは改めて彼女に目を向ける。
ルフレの胸がはだけていることに気づかされ狼狽した。今更ながら自分の引き起こした所業を思い出し、クロムは冷や汗をかいた。

「えっと……その、さっきはすまない」

慌てて彼女の胸から顔を離し謝れば、涙で頬を濡らしたルフレはなんのことか、と首を傾げてみせた。しかしすぐに合点がいったのか、落ち着きのないクロムに微笑んで見せた。

「結果的に両思いでしたから気にしないで、確かにスマートとは言い難いですが」
「面目ない。お前を失うのが怖かったから、力で押さえつけようとした…俺は愚かだ、お前に対して最低なことをしてしまった」

深く内省しながらフラヴィアからの手紙に書かれていたことを思い出す。それは明日からの行軍に関する簡単な確認と、クロムの頭を真っ白にしてしまう一文が、何気なく添えられていたのだ。

『あの子に気があるなら、今自分のモノにしておかないと、一段落したらバジーリオが専属軍師兼嫁にするってさ』

今考えてみれば、気負っているクロムに対してのフラヴィアなりのからかいかハッタリだったのかもしれない。だがルフレのことで頭が一杯で余裕がなかったクロムにとっては、例え冗談だったとしても頭に血が昇ってしまい、何も考えられなくなってしまったのだ。
――ルフレが他の男のモノになるのが嫌だった。バジーリオの元へ行くということは自分の元から去るという事だ。彼女が自分以外の男の隣で笑い、喘ぎ、子を成すと想像しただけで身の毛がよだつ程に。
もしあの時に止まらずルフレを犯していたら。例え互いに想い合っていたとしても心が繋がらず、ちぐはぐな関係になっていたのかもしれない。ましてやルフレがバジーリオを好いていたとしたら、個人の問題を超えてイーリスにとって最悪の展開になっていたに違いないのだ。
自分の愚かな行動に俯き悔いていると、不意に視界が揺らいだ。ルフレがクロムの頭を自分自身の胸に押し付けるよう抱きしめてきたのだ。

「ね、そんなに自分を責めないでください」
「だが、俺は」
「確かに少し怖かった。でも、クロムさんがちょっと強引に来てくれたからこそ、私たちは本音で向き合えたんだと思います。貴方はいつだってそう、意気地なしの私を引っ張ってくれる」

髪を漉きながら優しい声音でそう告げるルフレに、クロムは子供扱いされているような情けなさと罪を赦された充実感を覚える。素直になって、彼女の羽毛のように柔らかな胸に甘えた。

「本当は私、傷つくのが怖くて、自分の想いから目を逸らし続けていたんです。立場を理由にして逃げていた嫌な女なんですよ。最近のクロムさんは私を避けていましたし」
「あれは、その…お前の顔見ると恥ずかしくて、つい」
「ふふ、貴方って大胆なわりにはシャイな所ありますよね」

でもよかった、そう花が色づくように笑う彼女が可愛らしくて、クロムは頬を紅潮させた。不覚にも一時的に覚めていた興奮が蘇り、下半身に熱が集っていく。
考えてみれば上半身はだけさせたルフレの胸に顔を埋めているのだ。これで欲情しないわけがない。

「クロムさん、どうかしたんですか?」

ルフレに頬を撫でられ、なんとか踏みとどまろうとした理性が解けていく。
先程怖い思いをさせてしまったのだから、今日はやめておいた方がいいのかもしれない。だが身体は正直で、主張するもう一人の自分に、クロムは頭を抱えたくなった。

「……正直に言っていいか?」
「もう隠し事しない仲でしょう、私たち?」
「あんなことした後にすまない。率直に言うと、俺は今お前を抱きたくて仕方ないんだ」

下手に誤魔化すよりは、と率直に言えばルフレの頬がみるみる赤くなる。
怒らせてしまっただろうか?少し不安に感じていると、彼女は何度か口を開け閉めした後、意を決したように言葉を絞り出した。

「そういうのは正式に結婚したあとじゃないと、色々問題があるような。ましてや、クロムさんは王族な訳です
し」
「…そうだよな。悪い、忘れてくれ」
「で、でも。私も、クロムさんに触れてみたいんです。クロムさんを、誰よりも一番近くで感じたい…」

赤面した彼女がクロムの手を優しく取り、自らの胸へと誘う。ふんわりとした感触が伝えられ、下半身に血が集中するのを感じた。

「だから、その…こ、これ以上は私の口から言わせないでください!」
「いいんだな?後悔しないか?」
「後悔させないって、貴方が言ったことじゃないですか」

目を潤ませ、恥じらうように視線を逸らすルフレの言葉に喉を鳴らし、ゆっくりと頷いた。優しくしなければ、と頭ではわかっているが早く繋がりたいという欲望はどんどん自分の中で大きくなっている。だが後悔させないと宣言した以上、暴走しないよう自分を律しなければ。
先ほどは怒りと焦燥感に身を任せて乱暴に掴んでしまった二つの白い双丘。きめ細やかな肌を優しく摩れば、ルフレはくすぐったそうに声を上げる。そのまま身体のラインに沿うようゆっくり手を動かした。
王族である以上、将来妻となるも者と円滑に子を成せるよう、簡単な性交渉の仕方は習った。当時は意中の相手もおらず、剣術の稽古の時間が削られると不満に思い退屈にしか感じていなかった。だがいざ実践するとなるともっと熱心に授業を受けとけばよかった、と少し後悔している自分がいる。
――大事なのは相手に安心感を与えること。己の欲だけを先行させず、愛情を込めること。
普段堅物の老教師が真顔でそう教授することに、当時はおかしささえ感じていた。しかし、触れてみると女と男の性差は明白で、彼の教えは正しかったと噛み締め手を進める。
戦場では剣を扱うこともある以上、ルフレは女性兵士らしく、しなやかな筋肉はついている。しかしやはり男である自分と比べたら、随分と細く頼りない。普段は男顔負けの剣術でクロムの傍らに立っているが、恥ずかしそうに頬を染める姿と掌に伝わる柔らかさはとても繊細な花のようで。力を込めすぎれば雪玉のように壊れてしまいそうだ。
腹部や背中を撫であげ、ルフレの緊張を解す。彼女が纏っている衣服のベルトに手をかける。金具の音をカチャカチャと鳴らし、ゆっくりと外していった。
するすると現れていく、しなやかな太ももと臀部に思わず目を奪われた。ルフレは恥ずかしそうに身を捩ったが、先ほどのような抵抗は見せない。彼女は両手で大事な所を隠し、拗ねたように上目遣いで見つめてきた。

「私だけ裸なのは、ずるいです」
「ああ、すまない。なんならお前が脱がして見せるか?」
「いえ……それはちょっと」

肌を薄桃色に上気させるルフレが可愛らしくて臍に口付けすると、クロムは一度身を起こして衣服を脱ぎ始めた。勢いよく脱ぎ捨てたせいで、ベッドの下にばさりと服が落ちていく。

「お行儀悪いですよ」と言いかけたルフレの口が止まりきゃっ、と手で顔を覆った。
「…脱げといった割にはなんだよ、その態度は」
「ごめんなさい。男性の裸なんてよくみたことなかったから、つい」

前見たときは一瞬でしたし、と口を尖らせる彼女に苦笑しながら、クロムは再びのしかかる。
そういえばあの時は、覗かれた側であるクロムが物を投げられ散々だった記憶がある。思えば彼女には女だと思っていなかったと言って石を投げられ、裸を見てしまった時も風呂桶を投げつけられたりした。今ではその騒ぎも、愛する者と心を一歩近づけた大事な記憶となっているのだが。

「これからは嫌という程見るんだから恥ずかしがる必要なんてないだろ」
「い、嫌というほどって……ひゃっ、クロムさん?」

くすぐるように脇腹から肋骨浮き出る胸部を撫で、胸の中心で色づく頂点にそっと触れた。輪を描くように指を沿わせ、ぷっくりと膨らみ始めた先端を優しくつまんでみせれば、ルフレは肩をぶるり、と震わせて甘い息を吐いた。擦るように指を動かせば芯を持ったようにそこは固くなり、本能のまま美味しそうに主張するそこを口に含む。緩急をつけてもう片方の胸を揉み上げ柔らかさを堪能する。赤子のように吸って見せれば、ルフレは小さ く喘ぎ声をあげた。満遍なく唾液で濡らし、甘噛みしては舌で転がすと、ルフレの肌が粟立っていることがわかる。荒くなっていく吐息に気分を害してないか、と不安に思いのぞき見る。彼女は目を潤ませ、指で口元を押さえ堪えるようにクロムを見つめてきた。

「なんか、変、です……」

戸惑いと羞恥を言葉に滲ませているが、とろりと溶けた飴のような瞳に、決して嫌がっているわけではないことを悟った。

「お腹がきゅっとして…その、私」
「大丈夫、それが自然なことなんだ」

やはり経験がないのか、はたまた抱かれた記憶を失っているのか。どちらにしろ生娘のような反応を示すルフレが愛らしくて、もっと反応を楽しもうと胸を揉んでいた右手を下腹部に沿わせ、そのまま股の間へと滑り込ませた。

「クロムさん、そこはっ」

ルフレの身体が強ばるが、胸への愛撫を続ければあっさりと弛緩させ、牝猫のように甘い声を上げた。きめ細やかな肌に包まれた太腿の内側に触れると、秘所から愛液が滲み、伝っているのがわかった。唾液で濡らした乳首を口から離し、濡れた指先を彼女に見せつけた。

「ほら、ちゃんと濡れている。感じているんだ」
「わ、わざわざ見せなくていいですから…!」

「相変わらずデリカシーがないです!」そう言って目尻に涙を浮かべたルフレに悪かった、と笑ってみせ、両手を使い彼女の足を大きく開かせる。下着越しでもわかる程そこは濡れており、布地に黒い染みを作っていた。

「うう、そんな、まじまじと見ないでください…」
「すまない、俺も女の裸はよく見たことなかったから」
「もう、どうして貴方はそう、さらりと恥ずかしいこと言えるんですかっ!」

足を閉じようとするルフレに体ごと割って入り阻止する。自然と太腿に顔を埋める形になり、擦れる髪がくすぐったいのか、彼女の足が忙しなく揺れた。
クロムは小さな抵抗をさして気にせず、下着越しにそっとルフレの秘所に指を沿わせる。布越しに伝わる湿り気に安堵の息を吐くと、こそばゆさで悶えている彼女と視線を合わせた。

「脱がしていいか?」
「……ッ」

恥ずかしさで言葉にできないのか、それでもコクリと頷いてみせるルフレの意志を確認すると、クロムは下着に手をかける。軍の支給品である簡素な麻製の下着をするりと脱がすと、薄い茂みに隠された秘所が垣間見えた。外気に触れたそこは恥じらうルフレのようにふるりと震え、初めて間近で見た女性というものにクロムは無意識のうちに唾を飲む。桃色に濡れた繊細な花弁を壊さぬよう、なるべく優しく触れてみた。割れ目に沿うようなぞってみれば、ぴちゃり、とそこは水音を立て、より直接的な刺激にこぷりと蜜を零し、日焼けしていない太腿を伝っていく。

「ひっ」
「痛かったか?」
「いえ、痛くはないんです。けど…やっぱり、変な気持ちになって…その……」

胸を抑えそう訴えるルフレを安心させるよう、艶かしいラインを描く腰を撫でた。不安そうな口ぶりとは裏腹に、秘所はクロムを欲しがるようにひくついている。

「私、どんどんはしたない気持ちになって、こんなの、恥ずかしいんです……」

普段は冷静に戦場を見渡している目が、クロムの前でだけこんなにもあどけなく潤んでいる。
もっと汚したい。自分の存在だけを刻みつけたい。
泣き出しそうな彼女に嗜虐心が刺激され、柔肉へ爪先をつぷり、と指し込んだ。

「クロムさ、ぁっ!」

第一関節が淫靡な水音と共に埋め込まれていく。
異物に戸惑うようにルフレが声を上げるが、そこはクロムをさらに誘うよう蠢き引き込んでいった。熱く、とても狭い。本当に自分のモノが入るのだろうかと心配になってくるが、指を動かせばそこは伸縮性に富んでおり、指の形を取るよう開かれていく。初めて触る感触に息を荒くしながら奥へと推し進めると、ある地点でルフレの腰がビクンと跳ねた。

「ぁあッ」
「ここが気持ちいいのか?」
「や、ダメ……そこは、あう!」

少しざらざらしたところを撫でると、今までと明らかに反応が違う。ルフレは腰を跳ねさせ彼女の中がギュッと
狭くなった。
女は男と快楽を感じる部位が違うと教師から話半分に聞いたが、これほどに違うものなのか、と一人感心する。
互いに一番近くにいるものと思っていたが、知らないことはまだまだ多いものだ。しかし、これからはお互いにしか知らないことを共有できる。その幸せを噛み締めクロムは指をズルリと引き抜いた。ルフレはというと息を荒くし、指が抜かれた喪失感に切なく喘ぐ。
とはいえまだまだクロムを受け入れるにはそこは狭すぎるだろう。今度は指の本数を増やし、彼女の胎内へと侵入していく。物欲しそうに疼くそこへ打ち込み、なるべく負担にならぬようゆっくりと抽挿した。指を動かせば動かす程蜜は溢れていき、シーツの上に零れ落ちてクロムの手首まで濡らした。
ルフレは口を必死で押さえて断続的に喘ぎ続ける。もう何も考えられず、彼の攻めに堪えるもシーツが擦れる音と自らが発する水音に、羞恥と興奮を増していった。

「そろそろ大丈夫か……?」

指を3本咥え、食むように蠢くそこを見つめながら、クロムは一人呟いた。
最初に比べれば随分と広がったように思えるが、男を受け入れるにはまだきついかもしれない。しかしクロム自身はもう限界にまで反り上がっており、早く彼女と繋がりたいと主張している。焼き切れそうな理性をなんとか繋ぎ止めルフレの頬を撫でた。快感に震え小刻みに息を吐く彼女がそっと瞼を開き、覗いた飴色の瞳にドクリと心臓が音を立てる。

「クロムさん…?」
「ルフレ、俺を止めるなら今だぞ。これからすることは自分を抑えられなくなる可能性がある」

汗が流れ落ち、彼女の胸に落ちて弾けた。余裕なく震える自分の声に気恥ずかしさを覚えながら、それでも傷つけたくないという想いから彼女の手をそっと取り、高ぶる自身へと導いた。下着越しからでもわかる猛りにルフレは目を見開く。その大きさと硬度を確認させ、彼女をそっと伺い見る。

「今からこれを、お前の中に挿れる。きっと男の俺には想像できない痛みがあるかもしれない、だけど一度始めたら、お前がやめてといっても止められる自信がないんだ…だから、嫌なら今言ってくれ」

今にもはちきれてしまいそうな己だが、ルフレが嫌がれば自分で処理しようと心に決めていた。しかしルフレは最後の心遣いに首を振り、下着を押し上げるクロム自身を撫でるように手を動かし呟く。

「クロムさん、辛そうな顔しています」
「ルフレ、そんなに触る、と」
「私だけ気持ちよくなって、恥ずかしいところ見られるのは嫌です。私も、貴方と繋がりたい。だから…お願いします」
「ッ」

呼吸をする度に小さく動く桃色に色づいた唇が、潤んで宝石のように艶めく瞳が、クロムの最後の砦となっていた理性を砕かせた。自身を撫でていた彼女の紫の痣が刻まれた手を毟るように取り握り締め、そのままシーツへ縫い付ける。

「もう止めろと言われても止まらないからな、ルフレ!」
「来て、ください……」

下着を下ろす時間さえ惜しくて、クロムは猛る自身を片手で取り出すと彼女の秘所に押し付け、存在を確かめさせるよう擦りつけた。水音を立て割れ目を滑るそれにルフレは身体を固くしたものの、こくりと頷き緊張した面持ちながら笑ってみせた。クロムも微笑み返す。
何度か蜜で滑らせ満遍なく濡らした後に彼女の胎内へと先端を挿れ、侵入を開始した。

「ぁ、ぁぁッ……」

ルフレの中を食い破るように、ゆっくりとクロムが押し入ってくる。やはり指とは比べ物にならない質量に快感よりも痛みが先行した。それでもルフレの身体が拒絶しないのは、クロムが手をしっかりと握ってくれて、安心しきっているからだと充足感を噛み締める。
男女の性差、性交の知識については一応本で読んだ知識としてあったが、実際に体験してみると想像していたよりもずっと生々しく、高尚ぶっている人間も生物の一部なのだと気づかされる。そしてより相手のことをより深く感じ取れる行為だと、曖昧になってきた意識の中ぼんやりと考えた。
腹部に熱いものが満たされる感触に息苦しくなる。記憶を失っているから詳しいことはわからないが、ルフレも
数える程しか触ったことのない箇所が、クロムによって暴かれていく。
ルフレの中で順調に進んでいた彼が止まる。何事かと目を開けば、余裕なく細められたクロムの濡れた瞳に飲まれそうになった。

「少し痛いかもしれんが、我慢してくれ」
「ひぅ!」

何かがプツリと千切れた感触と、下腹部に走る鋭い痛みに悲鳴を上げる。それと同時にクロムの侵入が再開された。一応加減はしてくれているようで気遣うゆっくりと入ってくるが、未熟で馴染みきらない胎内は彼の形を必死で覚えようと、ルフレの意思を超え締め上げていく。
それでも頑なに守られているそこをこじ開けるように押し進められ、ようやく彼の根元まで収まり二人同時に熱く荒い息を吐いた。

(クロムさんが、ここにいるんだ。私でも触れないような場所に)

脈打つ彼の大きさをその身をもって感じ取り、ルフレは思わず微笑んでしまう。腰と腹が裂かれるような痛みさえも、彼によって刻まれたかけがえのない証のようで
心と身体が繋がれた幸せに涙が溢れた。

「ルフレ、大丈夫か」
「つづけて、クロムさん…わたし、すごくしあわせなんです……」

情欲に濡れながらも気遣わしげな瞳に、繋がれた手を強く握り返すことで応えた。クロムは汗で湿ったルフレの前髪を撫で、涙を吸うよう目元に口づけを落とす。そして締め付けが弱まった頃合いを見て、ゆっくりと腰を動かし始めた。
最初は引き攣れるような痛みに顔を顰め、脂汗が額から流れ落ちていった。しかし励ますように落とされるキスと、時折施される愛撫に身体が解けていき、次第に滑りがよくなり痛覚以外の感覚を感じ取る余裕が出来てくる。

「ぁ、あっ」
「お前の中、あつい」

肌と肌がぶつかり合い、汗が宙に散っていく。抽挿する度に響く淫靡な水音に聴覚まで犯されていくようで、最後の枷のようにルフレにこびりついていた羞恥が消え失せ、興奮が高まる。そのことでより身体が快感を拾い上げていき、ひっきりなしに鳴き続けた。

最初こそ侵入者を追い出そうと、引きちぎれんばかりに締まっていたルフレの秘所も、すっかりとクロムに慣れてしまった。今ではしゃぶりつくすように彼を受け入れ、女としての歓びに震えている。

「ひゃん、だめ、そこ!」
「ここ、か?」
「や、ああッ」

掠めた箇所に反応し身体をしならせるルフレを見て、指で感じていた所を思い出すように腰を穿てば、彼女の中がきゅうっ、と締まる。びくびくと足を震わせる姿が愛らしくて、連続してそこを集中的に責めれば彼女は髪を振り乱し、地上に打ち上げられた魚のように悶えた。

「だめ、おかし、くぅ……!」
「もっとだ、ルフレ、俺だけに、もっと見せてくれ」

誰にも見せたことがない、そしてこれからも他人には絶対に見させない姿に、クロムの口元はいつの間にか弧を描いていた。明日になればまた軍主と軍師として皆に取り繕うだろう。しかし冷静に戦場を見つめるその瞳も
強力な魔法を放って皆を救うその身も、全て知っているのは自分だけなのだ。
主が甘く高い声を上げる度にクロムの精を絞ろうとしてくる器に、正直気を抜いたらいますぐにでも限界を迎えてしまいそうで。それでもルフレと共に果てたいと願いながら焦らすように感じる箇所を掠め、緩急をつけて腰を動かした。

「ク、ロムさ、も、だ、めッ」
「ルフレ、ルフレっ」

両手を繋ぎとめ、動くたび目尻から溢れそうな彼女の涙に欲情した。悲鳴のような喘ぎ声に頷くと、クロムはルフレに口付け律動を激しくし、最奥を穿つように腰を推し進めた。
秘所の上部で慎ましやかに主張する粒に恥骨が擦られ、嬌声を吸い込まれ抑えきることのできない快感にルフレは全身を震わせる。辛うじて残っていた思考さえも白く溶けさせた。クロムもまた柔らかい唇を貪りながら扱き上げるように蠢く秘所に己の欲を吐き出す。
一滴残さず彼女の中に出そうとより深くに腰を押し付ければ、応えるように彼女も足を絡めてきた。しっかりと繋がれた手と身体。このまま溶け合って一つになって
しまえばいいのに、と二人は絶頂の波にさらわれながら思考を共有しあい、番の猫のように額を寄せ合って目を伏せた。

「ぁ、……」

しかしいつまでも繋がっている訳にもいかない。
クロムはルフレの唇を惜しむように食んでから離し、ずるりと精を吐き出した自身を引き抜いた。接合部から名残惜しげに流れる液体は薄い赤みを帯びていて、彼女の純潔を奪ったことに言葉で現しようのない充足感を得て下腹部をそっと撫でる。ぐったりとベッドに身を投げ出し、焦点の合わない目でこちらを見つめてくるルフレに不安を感じ、彼女を抱き起こした。

「……大丈夫、か?」
「は、はい、なんとか…なんだか、夢をみているみたいで……」

依然ぼんやりとはしているが、照れた顔でクロムの掌に頬を摺り寄せるルフレに安堵した。そっと汗が浮いたままの額に口付けを落とす。彼女もそれに応えるよう頬にキスをしてきて二人で子供のように笑いあった。

「夢だと思うなら、もう一回してもいいんだぞ?」
「さ、流石にもうムリ…腰が抜けちゃいます…」
「すまん、勝手がわからなかったんだ。痛かっただろ」
「クロムさんも初めてだったんですか?」

目を丸くするルフレにクロムは赤面し、「悪いかよ」と呟いた。過去に侍女で一度相手をしたらどうかという話も出たが、剣術の稽古と自警団の設立に注力していた為断ったことがある。経験があれば彼女に無理をさせなかっただろうか、と一瞬考えたが、それでも初めてがルフレで良かったと思い、彼女の髪を梳く。

「ふふふ」
「なんだよ、急に笑って」
「私のこと女として見てないと言ったこと、思い出しちゃって。まさかあの時はこんな関係になるなんて夢にも思ってなかったから」
「お前も結構根に持つな。確かにそうは言ったが、あの頃から俺はお前にずっと傍にいて欲しいと思っていたんだぞ」
「私だって、貴方の傍にいたいってずっと、きっと出会った頃から」

顔を赤くしたルフレが抱きつき、皺だらけになってしまった絹製のシーツに二人して転がる。
紫紺の痣が刻まれた彼女の掌が、縋るようにクロムの胸に触れた。

「私、家族のことも思い出せないような女です。子供が出来ても、良い母親になれないかもしれない。それでも本当にいいのですか?」
「今更だな。それに、俺だって似たようなものだ。…姉さんやフレデリクが育ての親みたいなもので、両親のことをよく覚えていないから、父親というものがよくわからないんだ」

不安そうに見上げてくる彼女の掌を握る。母はリズが生まれた頃に他界し、父は戦いに明け暮れ滅多に触れ合う機会がなかった。
お互いわからぬならば共に成長し、親になっていけばいい。ルフレとならば、足並みを揃えてきっと乗り越えていける。そんな自信に満ち溢れていた。

「それに、もうお前と俺は家族だろ?もうここまで来たんだ、なかったことには出来ないからな」
「クロムさんったら…まだ正式に決まったわけじゃないのに気が早いんですから」

ルフレはそう言って笑い、繋がれた手を柔らかい腹部に押し当て目を閉じる。
いつかここに宿るかもしれない命。愛する人と自分の因子を継いだ結晶。もし家族が増えるのならばどんな子なのだろうと、想いを巡らせた。

「正式も何も俺たちで決めたことだ。誰に何を言われてもお前を妻にするからな、ルフレ」
「……有難うございます、クロムさん」
「姉さんの分も幸せにする。…絶対に、この手を離しはしない」
「はい。私は、幸せ者です」

夢を見るよう瞼を閉じ、長い睫毛を伏せる彼女に口付けをする。
愛する者達を守る為に、愛し合う者たちが安心して時を刻める世を作る為に……そして姉が目指した理想の光を見出す為に。冷気に包まれた褥で抱き合い、言葉なくとも想いを一つに重ねて誓う。
そして裸の男女は互いを温め合うよう身体を絡め、一時の眠りへと落ちていった。

普段は厚い雪雲に覆われているフェリアの空が珍しく晴れ、黒曜石のような天蓋に金剛石のように煌く星と寄り添うように輝く星が熱気覚めない城を見守っていた。
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